今年は見物客が満足げに見上げている。樹齢500年といわれる岐阜県高山市荘川町の「荘川桜」。花が極端に少なかった昨春とは打って変わって、2本の大木が咲き誇っている。
2本ともにアズマヒガンザクラ。御母衣(みぼろ)ダムに面した国道156号沿いに立つ。1960年、ダム湖に沈むことになった二つの寺から移植された。県の天然記念物で、例年、4月下旬から5月初旬に見ごろとなる。
昨年は約20年ぶりに野鳥のウソが花芽を食べに食べ、満開の時期になってもぽつぽつとしか咲かなかった。
荘川桜公園を管理する高山市によると、今年は4月24日から咲き始め、27日に満開に。過去三十数年間でウソの食害が続いた年はなく、市荘川支所の職員は「今年はよく咲くだろうと思っていた」。来週初めごろまで見ごろが続きそうだという。
日本野鳥の会岐阜によると、この冬はウソの姿があまり見られなかったという。
30日は県外ナンバーの車も駐車場を出入りし、満開になった桜を背景に写真撮影を楽しむ人が途切れなかった。岐阜県関市から訪れた60代の夫妻は「圧巻ですね。いいタイミングで来られてよかった」と話した。
2年ぶりの荘川桜。ただ、29日~5月2日に予定された夜間ライトアップは「機材の不良」(支所)で中止となった。